▶過去の扉(夢を思い出すことで昔のことを思い出す。)

 

 

その夜、暗闇に包まれた部屋で

 

 

ふと、目が覚めると

 

 

いつものように隣で彼が眠っていた

 

 

物悲しい泣き声がかすかに聞こえたから

 

 

そっと、ベッドから抜け出し 

 

 

暗い地下室に下りていく

 

 

たどり着いた部屋の

 

 

ドアの隙間から灯りがもれ

 

 

そっと覗くと

 

 

一方の人がもう一方の人に

 

 

しがみついて泣いていた

 

 

私はその光景をみていた

 

 

私が泣いている人に「〇〇」と、そう言おうとしたとき

 

 

ふっともう一方の人と目があった

 

 

もう一方の人に私が「〇〇」と、呼ぼうとしたとき

 

 

私を探しに降りてきた彼が

 

 

後ろから口を塞いだ

 

 

彼は静かに首を横に振って

 

 

私を部屋に戻るよう促した

 

 

ふたたびベッドに横になると

 

 

彼も追うように横たわった

 

 

彼はいつもより力強く私を抱きしめた

 

 

 

 

 

 

甘くて苦いような夢のなかで

 

 

そうあのとき、

 

 

確かに私たちは双子の兄弟だった