自己愛性パーソナリティ障害の原因


自己愛性パーソナリティ障害の人は、実際の自分より大きく見せて、外の世界では、完璧な自分を振る舞いますが、神経はピリピリして気を張っています。幼いうちから、両親との関係がこじれたり、学校社会が大変だったりして、闘争や凍りつきなどの寒々しい世界で生きてきました。彼らは、トラウマという不条理な在り様のなかで生きてきたので、自分は無力な存在で、劣等感や被害者意識が渦巻きますが、それに反発して、戦略的に生きるようになります。彼らは、周りの目を気にしながら、良い子でいて、自分の思う正義を貫き、自分の思う通りにしていこうとする傲慢な生き方になります。そして、他人を見下して、優越感にのめり込み、自分の尊厳を見出そうとするか、他人を警戒して、頭の中で戦略を巡らし、自分の安全を確保しようとします。自己愛性パーソナリティ障害のターゲットされる配偶者や恋人、職場の人の誰かは、粘着され、攻撃を受けるかもしれません。

自己愛性パーソナリティ障害の形成


体の中にトラウマが刻み込まれている人は、神経が繊細になり、嫌悪刺激に対して、体が硬直します。そのため、環境の影響を受けやすくなり、通常の人と比べると、5-100倍くらいまで傷つきやすさが跳ね上がります。トラウマが深い人ほど、神経が刺々しくなり、人が悪意を持って接しているわけではなくても、人の持つ嫌な部分が堪らなく、耐えれないものになります。そして、小さなことでも人に腹が立ち、嫌になり、人といるだけで疲れます。自己愛性パーソナリティ障害の人は、嫌なことや逃げ場のない状況では、身体が硬直していくために、身近な人に対して、鬱屈した感情を晴らして、自分を安定させています。また、自分の思った通りにいかないときや嫌なことがあるとき、腑に落ちないときなど、体が硬直して、戦うか逃げるかの反応が起きて、感情が不安定になり、攻撃的な行動や体調が悪くなります。

 

そのため、彼らは、好奇心や興味があることに取り組めているときは、生き生きと振る舞い、人間らしい息が吸えます。一方で、嫌悪や不快なことに対しては、極端に心と体の状態が変わってしまいます。このようなトラウマティックな脳と体を持つ人は、嫌悪することに弱くて、不快なノイズに耐えれません。また、自律神経系の調整不全から、自意識が過剰になり、不純物を取り除くために、強迫観念や完全主義などの自己中心性が高まります。

 

トラウマを負うと、快と不快を分けて行動するようになります。不快な状況は、自律神経が調整不全になり、緊張して顔が赤くなる、頭が痛い、震える、冷や汗、声が出ない、頭が真っ白、感情がコントロールできないなど、恥をかいてしまうために、出来る限り回避していくようになります。特に、トラウマを負った無力な自分でいることは、とても不愉快なことなので、凄い自分になろうとして、万能感を抱きます。彼らは、人に認められることが自分の価値になり、人に良く思われないと無価値になります。

 

トラウマの状態が慢性化すると、自分というものが希薄になり、自分の体の感覚が分からなくなるために、他人にどう思われるかということが重要になり、周りに良く思われることで自分が成り立ちます。自分を成り立たせるために、人に認められたという欲求が強くなり、凄い自分の妄想に耽ります。一方、現実世界で惨めなことがあると、恥ずかしい自分が出てきて、無力感や劣等感に苛まれます。

自己愛性パーソナリティ障害の人間関係


彼らは、体の中のトラウマに影響されたくないから、人間関係に注意深くなり、いつも神経がピリピリして、嫌な感情を切り分け、良い感情しか取り入たくありません。自分の周りには良いものばかりを集めて、自分の居心地を良くします。しかし、自分の思うように環境を支配できないと、惨めで可哀そうな自分が出てきて、周りを巻き込んで、酷いことをして、優越感を得ようとします。自分の欲望を満たすために、自分の思うように周りをコントロールします。自己愛性パーソナリティ障害の人は、底なしの欠乏感を埋めようとして、周りを巻き込んで、コントロールしていかないと、自分という存在が小さくなります。そして、身近な人を大切にできないまま、他者を不当に利用した生き方になります。

 

彼らは、人に認められたいと思う反面、心の奥底では警戒していて、外側ばかりに意識が向いています。人がたくさんいる環境のなかで、人に良く思われようとして自分を作り、理想の自分が本当の自分と思い込んできました。仮面をかぶり、完璧な自分を演じて、人に認められて、自分のことを凄いと思って、快感を得ますが、中身は空っぽで、本当の自分には何もありません。等身大の自分は、怖がりで、暗く、恥ずかしがり屋で、そう人に思われることに耐えれませんでした。そうならないために、万能的な自分を構築し、明るく、皆に好かれて、人気者になろうとし、女性の自己愛性パーソナリティ障害に人であれば、美しくいて、綺麗を保ち、非の打ちどころのない人間でないと安心できません。 

 

井上陽平