▶古典的/葛藤モデル

 

 

人間は社会の中で期待される地位や役割があり、それに適応していくためには、自分の欲求充足を犠牲にしなければならない。そのため精神分析のセッション中、転移の中で再現される。患者は、分析家に対して、怒りや恋愛感情を感じたり、分析家に世話をして欲しいと望んだりするのだが、そうした感情を表現することに抵抗するのである。治療の目的は、こうしたプロセスへの洞察を患者へもたらすよう援助することである。そして、その気づきを、より十全に患者の経験へ反映するように用いるのである。「イドのあったところに、自我があるようにしなさい」(Freud 1923)

 

 

▶クライン派-対象関係/葛藤モデル

 

人間は愛と憎しみとのあいだ、依存を求めることと喪失の恐れとのあいだに葛藤が存在する。自己は投影同一化のプロセスを通じて、知覚の誤りや、それに伴う現実のゆがみをも引き起こすのである。転移を特徴づけるのは、こうした投影同一化のプロセスのプロセスと知覚の誤りである。治療者の仕事は、そうした投影をコンテインし、患者が受け入れられるときに戻してやることである。(Bion 1962)

 

 

▶対人関係-対象関係/欠損モデル

 

ここで焦点となるのは、「現在の転移」である。つまり、分析家と患者のあいだにある生きた無意識的やりとりのことである。抵抗を葛藤の点からみるのではなく、欠損が顕在化しているものと見なす。発達的にみて患者は、それと異なるようには反応できないのである。治療によって退行状態に引き込まれると、患者が古い不適応のパターンに執着するというのは、ほかのやり方を知らないからである。共感や配慮といった新しい経験を提供することから、治療による変化が生じる。

 

参考文献 

A・ベイトマン、J・ホームズ『精神分析入門』(訳  舘  直彦、増尾  徳行)岩崎学術出版社